第十二回 かりゆし翻訳講座 「総合演習」
報告
■受講者アンケートについてのコメント
漢字が多いと読みにくいことが分かった
一般的には漢字が多い文章は読みにくいとされています。例を挙げましょう。
1.申し訳有りませんが、宜しく御願い致します。
2.申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
2が読みやすいのは一目瞭然ですね。しかし大切なのは漢字の量ではなく、ひらがなの量とのバランスだということを忘れないでください。ひらがなが多すぎても読みにくい文章になってしまいます。
簡単と思っている文章ほど難しい
技術文書などは各単語に決まった定訳がある場合が多いので、あとはスタイルの問題になるのですが(技術文書が簡単というわけではありませんが)、翻訳者の真の実力が試されるのは講座で取り上げたような「抽象的な表現を言葉にすること」であると言っても過言ではありません。そこには翻訳者の個性が如実に表れるからです。しかし、この内容を難しいと感じることは実力がついてきた証拠でもあると思います。頑張ってください。
修正を繰り返すうちに訳の意味が原文から離れていったような気がする
考えすぎるというのも一つの問題ではありますが、英文(原文)の読みにまだ確固たる自信がないのであれば、直感を頼るよりは長考した方が良いかもしれません。「下手の長考、休むに似たり」ということわざがあることは確かですが、経験がないのに直感で訳していると上達が遅れます。語感は原文をじっくり読み解くことで鍛えられるのですから。
冠詞や前置詞を選ぶのが難しい
厳しいコメントになりますが、これは翻訳以前の問題なので、専門書などを読んで基礎から学習するしかありません。Googleのテキスト検索である程度調べることはできますが、毎回調べていてはかなりの時間を浪費してしまいます。知識に近道はありませんが、努力は決して人を裏切りません。
制限時間があると焦り、表現が不自然になる
この問題はおそらく翻訳技術というより、(時間制限などの)プレッシャーの対処法にあると思います。ただし、締め切りがなければ仕事をする翻訳者など誰もいないでしょうし、実際には
"do it by yesterday" のように無理難題を突きつけてくる依頼者が多いのが現状です。厳しい納期は翻訳者であれば一度は必ず通る道。もっと腕を磨いてプレッシャーを楽しめるようになってください(言うは易しですが)。
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